Ready-made

「既製品」である僕たちに個性を

さよなら渓谷

世界四大映画祭の一つである第35回モスクワ国際映画祭コンペティション部門出品に日本映画として唯一出品され、審査員特別賞を受賞した「さよなら渓谷」を観て来ました。
48年ぶりの快挙ということで、おめでとうございます!

受賞のニュース後に映画館へ行ったというのもあり、多くの人が集まっていました。
私は、基本的に映画のあらすじを読まず宣材の写真だけを見て映画館へと足を運ぶタイプなのですが、この「さよなら渓谷」は映画のキャッチコピーが既にネタバレという特殊な宣伝方法でした。
キャッチコピーであった「ごく普通に見える夫婦。だがふたりは残酷な事件の被害者と加害者だった―。」という言葉を頭の片隅に置きながら映画を観るのはなんか新鮮でした。
頭の片隅にとは言ったものの、映画の内容、魅力に吸い込まれていき終盤になってキャッチコピーと繋がった時の感覚は忘れられない。

少しずつ時間を重ねるごとに真実へ近づいていくミステリーという全体よりも、セリフ抜きのシーンが多く主演の真木よう子大西信満のたたずまいや表情からこの二人がなぜこのような生活を送っているのかということを追いかけて観ていたことを観終わった今気付いた。
最近そのような観方をした作品がなかっただけに満足のいく作品でした。

エンディング曲の「幸先坂」

公式サイト:映画『さよなら渓谷』