Ready-made

「既製品」である僕たちに個性を

眠れぬ夜の仕事図鑑−渋谷から見える文化環境−

シアター・イメージフォーラムにて眠れぬ夜の仕事図鑑を鑑賞してきました。
この作品の監督は、「いのちの食べかた」という作品で有名になったオーストリアのニコラウス・ゲイハルター氏である。
彼のドキュメンタリー作品の特徴として、"知っているようで実は知らない"という視点の基に取材や撮影を1年以上掛けているところだ。
そして、"無言の映画"という点も特筆すべきポイントかもしれない。
とても眠気を誘う映画ではあるが、豊かな日常生活の裏側に潜む夜という限られた人間が活動する姿を見ることはとても興味深い。
無駄なナレーション解説はない。
だから、ありのままを感じ取ることができるのがゲイハルター監督の作り出すドキュメンタリーの良さである。

そこで飛び込んできたニュースがシアターN渋谷が今年12月に閉館へ…渋谷から続々とミニシアターがなくなる/シネマトゥデイである。

シアターN渋谷のHPへ確認しに行ったところやはり事実だった。

私も使用したことがあるミニシアターだっただけにとても残念である。
渋谷は、文化発信の基地としてBunnkamuraを始めとする美術館や能楽堂渋谷公会堂、ライブハウス、ミニシアターが多く点在する街である。
大衆とは少し離れて、「こだわり」を求めて形成されたのが今の渋谷だと私は思う。
違う視点が溢れる街 渋谷。
魅力という長い時間を掛けて形成された大きな財産を失ったと気が付く前に食い止めた。